MENU
服部希美
心理カウンセラー/講師
カウンセリングサービス予約センター
受付時間 12:00~20:30
◎服部希美のカウンセリングを受けるには >>

部下がミスをしたのは「やる気」がないせい?〜リーダーが気を付けておくといい視点〜

あれほど注意したことなのに、同じ間違いを何度もやる。
分からないなら聞いてきたらいいのに、自分で判断して後からミスが発覚する。
尻拭いは、いつも上司である自分。

「本当にやる気があるのか?」
「やる気がないから、こんなミスをするのだろう」

こんなモヤモヤを飲み込みながらも、上司として寛容であり続けようとがんばっている。
そんな縁の下の力持ちなリーダーさんも多いのではないかな、と感じます。

仕事で責任ある立場を任されると、
やりがいなども増えますが、自分以外のメンバーのミスや失敗の対応を求められることも増えますよね。

再発をどう防ぐか、どうやって起きそうなミスを未然に防いでいくのか・・
どんな職場であっても、とても悩ましい問題ではないかと思います。

自分の生き抜いてきた時代と違う、次世代の人と関わるようになるとでてくる課題でもありますね。

今日は、現場をまとめるリーダーとして、こういった「失敗やミス」に対して、
どのような視点を持って取り組んでいくといいのか、心理学の観点からひとつのものの見方をご紹介します。

職場などで人をまとめるリーダーポジションなどでご活動されている方をはじめ
子育てなどにも応用していただけたらと思います。

目次

ミスや失敗をした時、上司のあなたはどんなふうに対応をしていますか?

たとえば、部下に商品の発注を任せていたのに、
納品日を間違え、必要な日に商品が届かないことが判明したとしましょう。
このとき、みなさんはどんなことを感じるでしょうか?

「なんて、いい加減なやつなんだ」
「仕事にやる気がないから、こんなミスをするんだ」
「あいつは出来ないやつだな」

など、ミスをした原因を「部下の能力や性格のせい」だと感じるクセはありませんでしょうか・・?
そして、ミスや失敗をした部下に注意を促すだけでトラブル対応が終わっている、ということはありませんか?

こんなことを書いている私自身も、昔、そう感じていた時期がありました。
ときには、ミスや失敗をした人に「もっとしっかりしてよ!」なんて、厳しく当たってしまったことも・・。

ですが、そうやって注意を促した直後はミスは減ったりもするのですが、また、同じことが繰り返されてしまったのです。

そこで、よくよく現場に話を聞いてみたところ、
誰がやっても間違えやすいような難しい方法でやっていたことが判明し、
やり方自体を改善することでミスがなくなったということがありました。

つまり、ミスをした人の能力ややる気ではなくて「方法」に問題があったわけですね。

やる気のせいにするのではなく、本当の原因に気づくことが大切

心理学では、私たちが、ついしてしまうものの見方のひとつに
「内的帰属」というものがあると言われています。

「内的帰属」というのは
「行動の結果は、その人の内面(能力や性格など)に原因がある」と思ってしまう心理をいいます。

私の例のように、ミスの原因は、日々の業務が忙しすぎて余裕がなかったからかもしれませんし、
納品を依頼する伝票が分かりづらい構成になっているからかもしれません。

部下が業務内容をしっかりと把握できていないのかもしれませんし、
伝え方が悪くて伝達ミスが起きていたのかもしれません。

もしかすると、協力体制がうまく構築できておらず、
担当者ひとり仕事を抱え込んでしまっているのかもしれません。

また、いろいろな細かい原因が重なった結果、起きてしまったミスかもしれません。

そして、たとえミスをしたとしても、
二重チェックをするシステムになっていたら、大ごとになる前に防ぐことができたかもしれませんね。

こんなふうに「ミスが起きた原因」はいろいろ考えられるわけですが・・
私たちはついつい、人の行動の原因を探すとき「相手の能力や性格だけのせい」にし、
環境や状況などを過小に評価してしまいがちになると言われているのですね。

つい無意識にやってしまうことではあるのですが
「ミスを能力や性格などのせいだけ」にしてしまうと、人に仕事を任せにくくなってしまうでしょうし
「あの人が変わらないとうまくいかない」と、手詰まり感を感じやすくなりますよね。

また、本当の原因を改善しているわけではないため、
同じミスを繰り返してしまいかねませんから、
ミスや失敗がおきたとき、とくに繰り返し起きている時には、少し意識をして
「状況や環境(外的な要因)」にも目を向けることが、解決への糸口になることも多いのですね。

ミスをやる気のせいだけにしないために取り入れるといい視点

また、環境や状況に目を向けるということは、
ミスや失敗をした人と同じ目線で考えてみるということでもあります。

手痛いミスや失敗をしてしまったときに
「自分の立場になって考えてくれるリーダー」は心強いものです。

周囲からも信頼もされるでしょうし、
そういった精神的なつながりが、次のミスを防ぐことも多かったりするようですよ。

もちろん本人に注意を促すことも大切なことではあるのですが、
もしも同じようなミスが繰り返されているとしたら・・すこし意識をして、視点を変えてみてくださいね。

きっと、リーダーであるあなただからこそ、気づくことができる。
変えていくことができる状況や環境も、あると思いますからね。

参考になれば幸いです。

心理カウンセラー服部希美
厳しくするとすぐに辞めてしまう・・心理学を使って、部下を上手に育てる方法3選 | 心理カウンセラー服部希... すこし指導をしただけで、すぐに仕事を辞めてしまう。困難なことはチャレンジしたくない。 そんな部下を任されたとき「どのように育てていけばいいか」悩む方は少なくない...
心理カウンセラー服部希美
ものが溢れる豊かな時代に合った営業戦略 | 心理カウンセラー服部希美 たくさんものが溢れている市場の中で、自社の商品やサービスを選んでもらうために工夫が必要な時代となりました。今の時代、人はどのようなものを求めているのでしょうか? ...
  • URLをコピーしました!
目次