「ダメ」と言われると、余計に惹かれてしまうのはなぜ?
例えば、家族に「その人はやめておきなさい」と言われると、かえって「私はこの人を愛してる」と確信したくなる。距離があることで切なさが募り、気持ちがどんどん強くなる。
こうした心理が、恋を熱く燃え上がらせることってありますよね。
周りに反対されるほど、「この恋は特別」「二人の愛は試されている」と感じて、ますます相手に惹かれてしまう、みたいなこと。
もちろんですね、障害や反対があることで二人の絆が深まった。
「この人と生きていこう」という覚悟が決まった。こういうこともありますね。
恋愛や結婚生活にはいろんなことが起こりますし
雨が降って地固まる、じゃないですが、
二人で協力して乗り越えた分、絆が深まったりもします。
ただ、中には「手に入らないからこそ価値がある」「反対を押し切って愛してもらえたら、自分は特別な存在だと認識できる」という心理から、
障害の多い関係にしがみ付いてしまうケースもあったりするようです。
そういった「反対や障害」から燃え上がった恋愛は、
周囲の反対がなくなった途端に、関係が希薄になってしまったり
相手につまらなさを感じて、また、禁断の恋に走ってしまう、なんてことも起きてしまうことがあるのですね。
ロミオとジュリエット効果
この効果が生まれる背景には、誰でも持っている(そう、誰でも持っているんですよ!)
「禁止されるものには魅力を感じる」という心理があります。
人間は本能的に、「手に入らないもの」や「手に入れることが難しいもの」に対して強い興味を抱く傾向があるのです。
たとえば、先月のバレンタイン近辺。
名古屋のタカシマヤでは、開店数時間前から
すご〜〜く長いお客様の行列ができていました。

みなさんのお目当ては・・
今しか買えない、ここでしか買えない、数量限定のチョコレート!
もちろんね、普通でも売ってるけど食べたいチョコが売ってたから並んだよーという方もいらっしゃると思いますが
基本「手に入れることが難しいもの」「特別なもの」に私たちは価値を見出す傾向があるんですよね〜。
もうすぐ売り切れちゃうよ!って言われると欲しくなったりね。
実は恋愛も同じで
「手に入らない(反対される)」ことで、
無意識にその恋愛を「禁断の果実」のように感じてしまい、その魅力が一層強くなる傾向があるのです。
そんな恋愛心理のことを「ロミオとジュリエット効果」といいます。
ウィリアム・シェイクスピアの悲劇『ロミオとジュリエット』では、
二人は家族から反対され、それが逆にお互いを深く愛し合う理由となっていきます。
その様子から名付けられた、この心理。
そこから・・本物の愛にしていくのか、
禁止からの欲求を満たすだけで終わってしまうのか。
できれば・・本物の愛にしていけたらいいですよね^^
ロミオとジュリエット効果が生まれやすい背景とは?
ちなみに、ロミオとジュリエット効果が生まれやすい背景としては
自分の中の「承認欲求」や「愛されたい気持ち」を満たすために無意識に働いていることが多いのです。
つまり、無意識に「自分にとって足りていないものを補おうとする」ことで、起きやすくなってたりするのですよ。
自分に自信がない分「特別愛されていると感じられるドラマティックな恋愛」を求めてしまったり
自分の存在を証明するために、「私だけは彼を理解できる。それを証明してみせる」と意気込み過ぎてしまったり
一時的に気持ちが燃え上がる一方で、時間が経つと熱が冷めてしまうことも少なくないよう。
また、ロミオとジュリエット効果が働くような恋愛関係は、
お互いがお互いに「自分たちは周囲から認められない恋をしている」という後ろめたさを抱えていたりもします。
その後ろめたさは恋愛をより熱中させるための刺激となるので、
より感情的に半ば自分を見失うような衝動的な恋愛に走ってしまうことも多いのですね。
衝動的な恋愛の最中は、お互いにこの恋愛を成就させるという目的のために、
一種の共犯関係のような一体感が生まれて、より絆を深めやすくなったりもします。
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ただ、ここがめちゃくちゃ大切なのですけどね
もしもね「私のことかも」「私の恋愛って、障害があるからこそ燃え上がっているだけなんじゃ」って感じちゃった方がいらっしゃったとしたら
まずは、今の恋愛は間違っているの?とか
やっぱり私が悪いのかな、なんて思わないでいただけたらなって思うのです。
きっとそれだけ大きな枯渇感をいだいたまま、ここまで頑張ってこられたということでしょうし
相手に惹かれた気持ちは、きっと嘘ではないと思うから。
「ダメな恋をしているのかな…?」 と不安になるのではなく、
「私の幸せのために、どう向き合えばいいんだろう?」 そんなふうにとらえていただけたらなって思うのですね。
どうすれば、恋の障害に振り回されずに、本当に幸せな愛を築けるのか?って。
そして、その中で「恋愛だけで足りていないものを補おうとする」のではなくてね
安全な形で、自分の中の「足りてない感覚」や「未完了になっていること」に気づいて取り組んでいくことができるといいかもしれません。
足りていない、他から満たさなきゃ、という枯渇感が減れば減っただけ
心に余裕が持てたり視野が広がって、自分やお相手、そして周りの人の状況が分かりやすくなりますからね^^
どうすれば、恋の障害に振り回されずに、本当に幸せな愛を築けるのか?
恋愛には、時に障害がつきもの。
だけど、「障害があるからこそ燃える」ではなく、「安心できる幸せを感じられる時間」を選ぶことができたら、もっと心が穏やかで満たされる時間が増えていきます。
その上で、彼と自分との関係を見つめ直していっても遅くはないのかもしれませんね。
もし今、「この恋は本当に私を幸せにしてくれるのかな?」と迷っているなら、
一度、立ち止まってみましょうね。
あなたの思いが、あなたにとって本当に大切なものになるように。
カウンセリングもご活用くださいね。
参考になれば幸いです。