最初は「おおらかな人だな」って思えたパートナーの人柄が
最近は、無責任にヘラヘラしているように感じて、イラつくようになりました。
いっしょにいるときに、好き好きオーラで近づいてこられた日にゃ
ベタベタ触らないでよ！気持ち悪い！って拒絶したくなったり。
自分に優しくしようとしてくれているのは分かるけれど
単に私のご機嫌を取っているように感じて、心底・・むかつく、みたいな。
付き合い始めてしばらく経って、いろんなアラが見えてきた、ということでもあるのかもしれませんが
客観的に見れば、パートナーは間違ったことや悪いことをしているわけでは決してなく、私を大切にしようとしてくれているだけだと思うのですが、どうしてそこまでイラつくのか・・自分でもさっぱりわかりません。
パートナーもそんな自分を見て、気を遣ってくれているようにも感じますが
自分自身が、どうしたらこの感情が収まるのかが分からないため、
パートナーに申し訳ない気分にもなってしまいます。
友人に相談したところ、「いい彼じゃん」「もっと彼のことも大事にしてあげなきゃダメだよ」なんて言われてしまい、気軽に相談できなくなってしまいました。
いったい、どうしたらいいのでしょうか。
こんなお悩みの裏には
「あの人以外は、近づかないで」
「私に近づいてきていいのは、あの人だけなの」
そんなふうに心に誓った人が、あなたの中にいるのかもしれませんね。
＊
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
心理カウンセラー 服部希美です。
外から見れば優しいパートナー。
自分に尽くしてくれているのもわかっている。
でも、その愛情に腹が立つ。受け入れられない。
でも・・この先生きていくのは、やっぱりあの人なんだろうなって思う。
そんなときには、
心理的に「本当に欲しかったもの」との関係が完了していない場合が少なくありません。
＊
たとえば。
ご両親が、あなたが小さな頃に離婚をしたとしましょう。
そして、あなたは母親側についていくことになりました。
別れた理由はどうであれ・・
パパが大好きだったあなたは、パパと離れることが寂しくて仕方がありません。
小さな心が引き裂かれるような悲しみを感じました。
本当は、離れたくない。
行かないで・・！
でも・・離婚して、ひとり親になったお母さんが
働きながら自分を育ててくれている後ろ姿を見ると、
パパに会いたい、寂しい、離婚しないで、なんて・・とてもとても言えません。
そして、学校の行事の父兄参観。
お母さんが仕事の合間を縫って、参観に来てくれたけれど
正直、お父さんが来ているお友達が羨ましくて仕方がないわけです。
だって、本当に来て欲しかったのは、パパ。
あの大〜好きなパパ、なんですよね。
一番大切な人が、そばにいない。
一番大好きな人は、手に入らない。
でも、そんなことを感じてしまったら
とてもとても辛過ぎて、生きていけないわけですね。
そのうちに、その感情を押し込めるために、こんなことを考えるようになるわけです。
「お父さんは、お母さんを捨てた最低な人よ！
だから、私は会いたくなんてない。私はね、もう、いない人だって思っている。」
私は、お父さんから捨てられたんだ。
私が思うより、お父さんは私のこと好きじゃなかったんだ。
だから、もう、私もお父さんのことは愛さない！
って、心の扉をバタンと閉める。
そんなふうに、心の距離を取らざるをえないのですね。
本当に欲しいものを諦めるには、
そのぐらい強く拒絶しないと、難しかったりするのです。
ただ、そのぐらい強く拒絶して
一番欲しいものに、一線を置いてきたわけですから・・
その線を越えて近づいてくる人に対して、当然ながら、拒絶反応が出ちゃったりするわけです。
な〜んで、あなたが近づいてくるのよ！
私にこれ以上近づいてきていいのは・・パパだけなんだから！！！
そして、パートナーにお父さんを投影したりもします。
「どうせ、あなたも、いつか私のことを捨てるんでしょ？」
「私のことなんて、どうでもいいんでしょ」
あのパパのように。
・・・目の前のパートナーは、パパじゃないのに
お父さんの時同様、愛を止めたくなっちゃうのですね。
＊
今回は「両親の離婚」を題材に仮定を立ててみましたが
べつにこの心理は、離婚だけで起きるわけではありません。
たとえば、あなたが長女で
弟や妹ができた時に「大好きなパパを奪われた＞＜」って感じちゃった、なんてことが起きる時もありますし
お父さんが仕事人間だったり、単身赴任だったりで
あんまり、お家にいなくて寂しかったとか。
ご病気を患っていて、入院ばかりしていたとか
早くに亡くなられたとか。
お父さんがとても怒ると怖い人で
いつも様子を伺ってた、とか。
お父さんに浮気相手がいたとか。
お酒に溺れてた〜、とか。
仕方がないことや、お父さんなりの愛がそこにあったりするものであっても・・
一番近くにいて欲しかった存在と離れなければならなかったり
近くにいないなと寂しさを感じる状況であればあるほど
大きすぎる寂しさや悲しみをやり過ごすために
「私のことは、そんなに愛していないんだ」
「私のことは、どうだっていいんだ」
「だから、私も愛さない」
そんなふうに、ものすごく強い痛み止めを打って
「一番欲しいものと、自ら距離を取る」
「そんなもの、欲しくない。たいしたものじゃない」
って自分に言い聞かせていく。
こういうことをやりがち、なんですね。
だって、そのぐらい・・大好きだったんだもの。
大好きな分だけ・・辛かったんですもの。
だからね、心の扉を閉めてしまったことは
致し方がないことではあるのですが
（そのとき心を守るために必要だったのです。悪いことじゃないんですよ。）
ただ、この状態がそのまま続いていると・・
「一番欲しいもの以外の人が、その距離まで近づいてくると、心が拒絶してしまう」
ということが起きやすくなるみたいなのですね。
＊
とはいえ、もちろん、ケースバイケースではあるのですよね。
上記に書いたようなケースでも、絆が良好に保たれている場合もありますし
対象は「お父さん」ではなくて
元パートナーとか、初恋の相手とか、失恋しちゃった相手とか、親友とか・・さまざまだったりします。
でも、どちらにせよ
「あなたにとって、とてもとても大切で大好きな存在と、
いまだ、心が離れ離れになったままになっている」
ということが
今の恋愛において、その存在よりもパートナーを近づけさせない要因になっていることは、少なくないようです。
こういう場合は「あなたが本当に欲しかったもの」に気づいてあげること。
そして、もう一度、自分の心の扉を開けて、
「愛されていなかった」という誤解をとき、愛を受け取り直していくといいかもしれませんね。
たとえば、パパがくれた愛情を思い出してみたり
大人になった自分が、子供の頃の誤解を解いてあげたり
自分がどれだけ、パパが大好きな子だったのかを振り返ってみたり。
対象が元彼であれば、いっしょにいて楽しかったことなど、
お別れはしちゃったけれど、心に残っている大切な宝物を思い出して
「私を愛してくれて、ありがとう」
そんなふうに、まっすぐに愛を受け取ってみるといいかもしれませんね。
大切な相手との心的距離が近づいてくると、
現実のパートナーと心的距離が近くなったときに、拒絶反応がでることが減ってくることも多いです。
現パートナーの愛を、愛として受け取れるようにもなってきますからね。
よかったらお試しくださいね。
＊＊
とはいえ、
「いやいやいや、聞いてくださいよ、服部さん！
うちの父は、こんなにひどかったんです。到〜底〜許せません！」
「あの父に愛ってあったんでしょうか？そんなふうには思えませんけど！」
そんなふうに、強い拒絶反応が出てくる場合も少なくないかなって思います。
「え？もう、そんな思いなんて忘れちゃいました」
「べつに、寂しくなんてなかったですよ。これが普通でしたから。我が家は。」
あまりに自分の感情を切り離し過ぎて、深く感じられない・・そんな方もいらっしゃるかもしれません。
そこには、それだけの事情や傷つき、
あなたの深〜い愛があったりしますからね。
取り組めそうなところから、順番に取り組んでいくといいかなって思います。
無理やり、形だけやっても・・
それもまた、自分に「こうあるべきなんだ」って言い聞かせて
辛い気持ちを飲み込ませているだけ、になっちゃったりもしますからね。
あなたの心を大切にしながら、進めていきましょうね。
よかったら、カウンセリングもご活用いただけたらと思います＾＾
応援していますね。
参考になれば幸いです。
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