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服部希美
心理カウンセラー/講師
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自分や大切な人の人生を丸ごと肯定する 〜祖母から学んだ大切なこと〜

いつもありがとうございます。
心理カウンセラー服部希美です。

今日は、服部のコラムです。
温かいお飲み物やおやつなどを食べながら
のんびりとお読みいただけたらなーと思います^^

私の心の中には「肯定感の師匠」がいます。
それは母方の祖母です。

祖母は大正の終わりに生まれた、戦争を経験した世代の人です。
あまり話すこともない物静かな人だったのですが、私たち孫はもちろんのこと、子供、祖父方の親の介護や親戚付き合いなどを一手に引き受け、支え続けてくれた女性でした。
私は小さな頃から祖父母の家に預けられていたので、本当によくしてもらったなという気持ちでいっぱいなのですが、祖母はそれ以上に「大切なもの」を私の心に残してくれたなと感じています。

それは「その人の存在そのものを認める大切さ」です。

祖母は晩年、認知症を患いました。
日に日にいろんなことを覚えられなくなり、いつしか、私たち家族や孫の名前も顔もすっかりと忘れてしまいました。
会話は成り立たない、ものはどこかにしまってしまい無くしてしまう、勝手に家から出て行こうとする、などなど・・祖母が当たり前にできていたことができなくなりました。

でも、その代わりに・・
なぜか、だれかれ構わず「褒めまくる」という才能が開花しちゃったのですね!

たとえば、道で赤ちゃん連れの親子とすれ違うと、ニコニコ近寄って行って、こういうのです。
「この子は賢そうな顔をしとる!あんたさんのおかげやね。」
「あんたさんは偉いねぇ。優しい人やわ〜」

スーパーに買い物に行けば、手を繋いでいる私をぐいぐい引っ張って、カップラーメンを棚に並べているバイトの高校生の男の子に声をかけにいくのです。
「この子は偉い子やね。ありがとうねぇ。あんたさんのおかげやわ」

お家でいっしょにご飯を食べれば、
「こんなにおいしいもの食べたことないわ!たいへんだったでしょ?私は幸せ者や〜」
たとえコンビニ弁当を温めただけでも、嬉しそうに褒めまくってくれるのです(笑)

正直ですね。見知らぬ人に急に褒められたら、びっくりする人も多いのかなと思いますし、「いやいや、それ誰にでも言ってるじゃん」って思うこともあったのです。

でも・・祖母にニコニコ褒められると、みんな一緒に笑顔になって、嬉しそうな表情をしている人が多かったのですね。

祖母がどんなことを考えて人を褒めていたのかは分かりません。
でも、私が感じたことは「おばあちゃんの褒め言葉は、その人の存在そのもの、人生そのものをまるごと肯定していたのではないか」ということでした。

私たちは、なにかを成し遂げたり成功したり、人から秀でていることがなければ「自分には価値がない」と感じてしまいがちではないでしょうか。
基本的に「そのぐらい、できて当たり前」できなかったら「劣っている」うまくいかなかったら「ダメな人の烙印」を押されたような気がしちゃったり、自分にも人にも、つい厳しくなりがちだったりします。

でも、失敗してしまったとしても、うまく優しくできない日があったとしても、選択を違えてしまったことがあったとしても・・その奥には、いつだって、その人なりの優しさや頑張り、想いがあるはずなんですよね。

祖母の褒め言葉は、そんなふうに悩みながらも歩んできた人生まるごと全てを慈しみ、肯定してくれたように感じたのかもしれません。
そしてそれがどれだけ心を救い、前向きな気持ちを蘇らせてくれるのか。私は学ばせていただいたように思うのですね。

心理学では、こういった「ありのままを丸ごと肯定する」ことを「肯定感」といいます。
みなさんは、自分に対して、そして、大切な人に対して、まるごと肯定的な目で見ることができていますか?
なかなか、頭で分かっていても出来なかったりしますよね^^;

でももし、あなたが人生に行き詰まってしまったとき、自分の人生はなんだったんだと感じてしまったときには・・ちょっと自分を責める手を休めて、自分の健気さや思いに目を向けて
「そんな中で、今日までよくやってきたね」「それでもあなたは、優しくあろうって頑張ってきたんだよね」って、まるごと肯定してあげるところからスタートしてみるのもいいかもしれませんよ。

参考になれば幸いです。

心理カウンセラー服部希美
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