「私の夫は、口数が少なくて、自分から話そうという意思がない人なんですよね。
なにか言うことないの?って聞いても、いつもだんまり。
だから、あの人に期待したって無駄なんです。そういう人なんです。」
カウンセリングの中で、こういうお話をお伺いすることがあります。
たしかに、普段から物静かで言葉少ない人というのは
男女問わずいらっしゃると思うのですね。
昭和のお父さん、みたいに恥ずかしがり屋で
「ああ」「お茶」みたいなことしか、話さない、みたいな。
まー、それはそれで個性であって
その人なりの愛情表現だったり人柄が
行動や表情で伝わってきたりしますよね。
でも、パートナー相手にはだんまりでも
職場や友人関係では明るくて楽しい人で、よく喋る人で
とても面倒見がよくて評判がいい、なんて人もいらっしゃいますよね。
道ゆく人にはとても親切。
なによ、私以外の人には饒舌じゃないの!きー!
で、こういうとき
「なによ!外だけ良い顔して!」な〜〜んて
腹が立つこともあるかもしれませんが
実は、相手の問題ではなく、長年のふたりの関係の中で
「話す気がなくなり、口数が減ってしまっている」ケースも多かったりするのですよね。
今日はパートナーシップ改善をテーマに
「自己表現してくれないパートナー」との関係がどうして出来上がってしまっているのか?
そして、より良い関係になるヒントを心理カウンセラーの視点からお話ししたいと思います。
どうせ聞いてくれないでしょ、と感じさせていませんか?
口を閉ざしてしまう理由はさまざまですが・・
「聞く耳を持ってもらえていないな」と感じているケースは多いかと思います。
たとえば・・「話す隙を与えない・話したところで否定ばかりされる」とパートナーが感じているケース。
人によっては、言葉にするのに時間ががかることもありますよね。
パートナーと意見が違う時もあるでしょうし
言いにくいことは、うまく言葉にできなくて、モゴモゴとしてしまうこともあるでしょう。
そんなときに、返答をせかされたり
「あなたは、いつもそう。もういいわよ」
みたいに、がっかりされているように感じたり
自分と意見が違ったとき
否定されることが積み重なってくると
「この人に意見を言ったところで否定されるだけだ」
「話して余計に怒られたり、責められるぐらいなら黙っておこう」
黙っておいた方が、まだマシ。
下手に言葉を発する方が、余計に拗れる。
そう思い、口をつぐんでしまう。
こういうことが起きたりします。
また、ケンカをしたくない、という思いが強い人の中には、
「言葉を発したら、すごい勢いで相手を責めてしまそうだ」と感じて、
ぐっと「黙る」ことで耐えている方も少なくないよう。
自分が耐えておけば、その場はおさまる。
その結果、急に離婚問題や
浮気の問題が出てきちゃう、なんてことが起きたりするのですね〜。
「分かり合えない寂しさ」は、お互いに感じているのかもしれないという視点
で、ここからが本題なのですが。
こういう話を書いてしまうとね、
優しい方ほど、ご自身を責めてしまうかもしれないなって思うのです。
でも「話を聞いてくれないと思われているパートナー側」に悪気があるかというと・・そういうことではないことも多いのです。
無自覚にそうなってしまっているだけ、の場合であったり
そうならざるを得ない心境にいらっしゃる方も少なくないのです。
ここが今日のポイントですね。
どうして、そんなに相手の意見を急かしてしまうのだろう。
どうして、そんなに相手のレスポンスを求めてしまうのだろう。
どうして、自分と意見の違うパートナーを受け入れられなくなっちゃうのだろう。
そこには、その方自身も
本当の本当の本音が伝えるのが怖い。
私の本音は、迷惑になるんじゃないかな、相手を傷つけないかな。
これで正解なのだろうか、そんなたくさんの不安の中で、
「私の本当の気持ちをわかって」
そんな想いを胸に、ずっとずっと、一人で耐える。
頑張ってこられた背景があることも少なくないのですね。
*
そんな方ほど、
一番大切にしたいパートナーからのレスポンスがないことは、辛いことなのかもしれません。
「どうして私に、心を開いてくれないの?」
「私はあなたにとって、そのぐらいの存在なの?」
「私は、あなたを大切にできていないのかな」
つまり、こういう状態になっている時、というのは
話してくれないパートナーを持つ側にも、悲しみや寂しさがいっぱいで
余裕がない状態にあることが多いのですね。
そして、実はこの問題が勃発している時というのは
パートナー両方が「相手を大切に思うがあまり、自分の思いを飲み込むしかない」
という状態になっていることが多かったりします。
つまり、二人ともが「私はあなたのことをこれだけ思っているのに」というもどかしさを
互いにぶつけ合っている状態にある、と言えるのですね。
きっと、本当は
心で通じ合えたらいいなと思っているにも関わらず、です。
わかってもらえない悲しみを、二人で乗り越えるために「安全な場」をつくろう
どういう原因があるにせよ
「どうせ否定される」という今までの土壌では、
素直なコミュニケーションというのは難しいところ。
そして、今の現状では
自分の気持ちを伝えても、なかなか受け入れてもらえなかったりもすると思いますからね
まずは、あなたがあなたの愛が伝わるように
溜まってしまった感情を癒しつつ。
自分が知らず知らずに
相手の価値観ややり方を否定していないか、
最後まで相手の話を聞けているか、チェックしてみるといいかもしれませんね。
これは私も経験があるのですが・・
自分はそんなつもりはなかったけれど、相手は「否定されている」と感じていた
というすれ違いは多々あったりするのですね。
とくに、自分が知らずしらずに使っている「言葉」や「会話パターン」が、
相手にとっては辛い、ということは、普通にあったりします。
とくにカウンセリングでお話を聞いていると
そういうコミュニケーションが当たり前の環境の中で育ったことで
「これがコミュニケーションでしょ」だと勘違いしてしまっているケースも多いよう。
ご両親が、まさにこんな関係だったとか。
お母さんが自分の言い訳をまったく聞いてくれない人で
まるで、あの時のお母さんみたいにパートナーを問い詰めちゃってるな、こういうことも多かったりするんですよね^^;
(気になる方は、カウンセリングもご活用くださいね。)
どういう理由があるにせよ
意見や価値観の違いは、あって当たり前ですし、
あなたが合わせる必要もないのですが、
「一旦、受け止める」
「最後まで、話を聞く」
「あなたは、そう思うんだね。私は、こう思うよ」
自分の価値観を大切にするように、まずは相手の価値観も大切にしてあげましょうね。
もしも「ああ、私、やっちゃってたかも」そう思うあなたは、とてもパートナー思いの方だと思います。
その優しさが、パートナーさんにまっすぐに伝わりますように。
最後に
そうやって、安全な場所が出来上がってくると・・
ときに、相手から不満が出てくることもあるかもしれません。
いままで、押さえ込んでいたこと。
本当はこう思っていた。
どうせ、聞いてくれないだろう。
また、こういうに決まってる。お前はいつもそうだ。
言われた側は、罪悪感でいっぱいになっちゃうかもしれませんが
実は、あなたに本音を伝えてもわかってもらえるんじゃないかと思い始めたからこそ、出てくる感情だったりします。
あなたを責めたいわけではなくて
あなたを信じたい、分かち合いたいからこそ出てくる感情でもあり
そこをふたりで越えることができたとき、いままで感じたことがなかったつながりを感じることができるようになることも多いようですよ。
良かったらお試しくださいね。
コミュニケーション問題を解決したい、と思った時に
一人で取り組もうとすると、心に余裕がなくなってしまい
相手に自分の感情をぶつけてしまいたくなることも多いようです。
わかっているけれど、行動が変えられない。
気持ちがついていかない。
それはあなたが悪いのでも、愛がないわけでもなく
抱えてしまった感情の影響の場合が多いです。
カウンセラーなど、あなたの味方になってくれる人、
客観視してくれる仲間に支えてもらいながら取り組んだ方が、ラクで早いですよ。
・知らず知らずに繰り返している悲しいパターンを変えたい。
・改善したい関係がある。
・話をとにかく聞いてもらいたい。
そんな方は、良かったらカウンセリングもご活用くださいね〜〜。
とってもとっても優しいあなたが大切な人と
愛し愛される関係を築くための参考になれば幸いです。
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