頼りにされるだけで、嬉しかった。でも、一緒にいればいるだけダメになっていく関係。そんな失恋からの回復

2023年12月26日

実は私、過去に半同棲していた彼がいるんですよね。

彼は車の運転ができない人だったので、
夜勤があるときには、毎回、私が彼の職場まで送迎していましたし、
食事も、洗濯も、ほとんど私がやっていました。

金銭的な面も、すべて私持ち。

周りから見れば「それっておかしくない？」と言われるような状態だったかもしれません。

私自身、見返りを求める気持ちも確かにありました。
でも、それでも・・嫌われることが何より怖かったから

彼に頼りにされている、必要としてくれると感じられるのは・・幸せだったのですね。

でも、彼の私に対する要求はどんどんエスカレートしていきました。

ちょっと嫌なことがあると、不機嫌になる。
私に対して、嫌味を言い始めたり、怒鳴ったりするようになっていきました。

そして、そのたびに私はとても不安になって

「彼に嫌われてしまうかもしれない」
「私、なにをしてしまったんだろう」
「どうしよう、はやく機嫌を取らなきゃ」

いてもたってもいられなくて
彼に縋るような状態になっていました。

彼のことは好き。
でも、一緒にいればいるだけ・・お互いがダメになっていく。

そんな状態が続いた結果
ある日、彼の方から一方的に別れを切り出され、関係が終わってしまいました。

最初は、ひどく落ち込みました。
見捨てられた、裏切られた、そんな気持ちでいっぱいになっていましたが・・

今振り返ると、
あのとき、自分はこれで幸せなんだと言い聞かせていたようにも思うのです。

好きな人に必要とされているって幸せなことじゃない。
そのぐらい頑張らないと、うまくいくわけないじゃない。
このぐらい、たいしたことない。そんなことを言い聞かせながら

随分と、犠牲をしてきたなって。

そして、どこか頭の片隅で・・
「このまま付き合っていたとしても、幸せにはなれないかもしれない」とも思っていたなぁって。

それでも、自分から別れる選択肢は考えられなかったし
別れを告げられた時、心がついていきませんでした。

いまでも正直、思い出すだけで重苦しい気持ちになったり
彼に対する好きな気持ちが消えていきません。

＊

このような失恋を経験した場合
どのように過去に折り合いをつけていったらいいでしょうか。

いつもありがとうございます。
カウンセリングサービス　服部希美です。

冬は、寂しさと向き合い、つながりを取り戻すいい時期だったりします。

今日も、ひとつの失恋のケースについて
服部なりの見立て、なんかを書いてみたいと思います〜。

長い記事となっておりますので、お時間のある時にどうぞ。

＊

さてさて。

過去の恋愛に、自分なりのけじめをつけて
前に進むということは、とても勇気ある決断だと思うのですね。

彼に、頼りにされるだけで嬉しかった。

それほどまでに、大切だった彼のことですから
折り合いがつけにくいのは、当然のこと。

この記事をあなたを責める材料ではなくて、あなたを幸せにするために活用してもらえたらなと思うのです。

たしかに犠牲を続けてばかりでは、
いずれ追い込まれてしまうことも多いのですけども、、
自分を超えて彼に与えることができるということ自体はね、本当に素晴らしいことだと思うのですよ。

自分なりにできることを、一生懸命やってきた。
そんな方が多いのではないでしょうか？

そしてね、彼を大切にするように
これまで、職場の人や友人とも関わってこられたのではないかなと思うのです。

人のために行動ができたり、親身になれたり
感謝をこまめに伝えたり、謙虚であったり。

自覚はないかもしれませんが
こういったパターンをお持ちの方というのは、人徳があることも多いのですよね。

親身になろうとしてくれる人がいたり、信頼してくれるお友達がいたりすることも多かったりするんですよ。

あの人、すっごいいい人なんだよね。
幸せになって欲しいよね、って陰で応援されてたりね。

でもね、自分ではそうは思えない。

このぐらいやらなきゃ、愛されないよね。

そんな世界観があったりしますから。

とくに「彼に頼られる＝愛されている」と結びついているとき、というのは
あんまり自分自身を「いいものだ」と思えていない時に、起こりやすかったりするのですねー。

たとえば、ですが・・
「なにかができるから、価値がある」「人より秀でているから、愛される」という価値観がある。

もちろんね、できることがあるって素晴らしいことなのです＾＾
人よりも秀でているところがあるとすれば、それは認めて、使って行ったらいいと思うのですが・・

「人としての価値」って、実は、そういう基準で測れないもの、なんですよね。

いっぱい、欠点もある。
できないこともあるけれど・・・

あなただから、いい。

あなたがそばにいてくれると幸せだと感じる、
あなたの存在が生きがいだと・・・

「勝手に相手が感じるもの」なんですよね。

自分では、なかなかその価値ってわからないものですし
もちろん相思相愛にならないことだってあると思うのですが・・

どれだけ、自分に価値がないと思っていてもね、誰かに愛してもらえてたりしますし
いたらないところ、めんどうくさいところがあったとしても、許されていたりするんですよね。

でもね、自分ではそうは思えない。信じられない。
こんな自分はダメだと思ってしまうから、余計に「愛されるために頑張り続けてしまう」ことがおきたり

大好きになった彼に対して
「あなたがどんなにダメな人でも、なにもやらなくても、私は愛しているよ」ってやりたくなる。
大好きな彼だからこそ、自分を投げ捨ててまで尽くしたくなる。

彼が自分に依存してくれると、なんだかホッとしちゃう。

彼も、無意識にその期待に応えて「ダメンズ」になってしまう。

こういうことが起きていることも、少なくないんですね。

そして、この世界観というのは心理的に
「自分の価値や存在意義、幸せを、”彼”に依存しちゃっている状態」になっていたりします。

彼に依存される私に、価値がある。
あなたの役に立てば、あなたの側にいてもいいよね。幸せになれるよね。

そういった切実な思いが、不安を生み
自分にプレッシャーをかけ、駆り立ててしまった結果。
相手のことを大切に思っているのだけれど、お互い苦しくなってしまう。
なんてことが起きることがあるわけですね・・・。

＊

もちろんですね、過去のご経験であったり
心というのは、お一人お一人違いますからね〜
今回書いたケースが、全ての場合に当てはまるわけではありません。

だからこそ、カウンセリングでは
じっくりとお話をお伺いしながら紐解いていくわけなのですけども

ひとつの考え方としてね「自尊心を育てていくこと」は大事かなと思うんです。

「人から頼られる（依存される）ことで、価値を確認する」のではなくてね
自分自身にも価値を見て、慈しみ、大事にしていくこと。

被害者（私が悪い）でも
加害者（彼が悪い）でもない・・あなたがいままで、選ばなかった選択肢。

彼と、それこそ命懸けで
がんばった恋愛から学んだこと

周りの人を愛するように、自分のことも大事にすること。
自分で自分を傷つけるのではなく、愛の目でみること。
周りから見てもらっている価値を受け取っていくこと。
私は愛されないという誤解を、解いていくこと。

人それぞれ違うと思うのですが、受け取っていってね

そして、これが何より大事。

あなたなりにちゃんと幸せになること。
幸せを感じられるあなたになること。

ここまでいけて、ようやくね
本当の本当の意味で、完了させることができると思うのですよね。

＊

こういう恋愛を経験する方というのは
もう、とてつもなく責任感も強いですし、愛する力が半端ないので
自分のダメだったところ、いたらなかったところばかりを意識してしまったりすると思います。

早く忘れなきゃ、って頑張りすぎてしまったり
すこしでも彼のことが心に残っている、そんな自分を未練がましく感じちゃったり
あのときどうして、こうできなかったんだろうと自分を責め続けてしまったりね。

この嫌な感情を、誰かになんとかしてもらいたい。
どいつもこいつも、本当にあてにならない。

そんな、とても依存的で嫌な自分が出てきちゃったりすることもあるかもしれません。

でも、そう感じちゃうことも無理はないよね。

ここから始めてみていただいて。
できることから、すこしづつ取り組んでいただけたらなと思うのです。

きっと、あなたなら乗り越えられると思うから。

たとえば、こういったブログを読むことだって
渦中にいると辛い気持ちが出てくることだってあると思うのです。

動画とはまた違ってね「読む」ことって、それなりに時間もエネルギーも必要です。読む、という選択も必要ですよね。

そこには、あなたの意欲、そのものが表われてるんじゃないかなって服部は思うのですよね。

この気持ちと向き合いたい。
あの、彼との思い出を「ふたりにとって出会わなければよかったこと」にしないためにも・・。
どこか、そんな思いで、ここまで読み進めてくださったのではないでしょうか。

そんなあなたを、私は素晴らしいなって思います。
その勇気、愛の深さ、どうぞ、認めてあげてくださいね。

そしてね。

痛みが強すぎたり、プロセスの途中では
とてもそうは思えないと思うのですが

そんなあなたが、彼と一緒に
一生懸命に過ごした時間。

いつか、これほどまでに人を愛したんだという・・誇りや
あなたが自分のことを好きになる、きっかけになったらいいですね。

応援していますよ。
参考になれば幸いです。