「どうして私ばっかりこんなに頑張らないといけないの？」
「相手のためを思って動いているのに、なんだか報われない…」そんな風に感じたことはありませんか？
もしかしたら、それは心の距離が少し近くなりすぎているのかもしれません。
相手の悩みを聞いているうちに、まるで自分のことのように苦しくなってしまうことはありませんか？
「大切な人を支えたい」「相手が苦しんでいるなら助けたい」
そんな優しさを持つあなたは、とても思いやりのある方なのだと思います。
でも、相手の問題を必要以上に背負い込んでしまうと、気づかないうちに自分の心が疲れてしまうことがあるのです。
いつもお読みいただきありがとうございます。
心理カウンセラー 服部希美です。
大切な人の悩みまで背負ってしまっていませんか？
例えば、彼が仕事でミスをして落ち込んでいるとします。
せっかくのデートでも、冴えない表情・・。
こんなとき、「私がなんとかしなきゃ」と励ましたり、仕事のアドバイスをしたり、一生懸命サポートしようとする。
これ自体は優しさだと思うのです。
大切な人を笑顔にしてあげたい。
悲しみを半分こしてあげたい。
それは、愛以外の何者でもないと思うのです。
ただ、その結果・・
彼はいつまでも同じことで悩み続け、あなたの気持ちもどんどん疲れてしまう。
このように、相手の気持ちを理解しようとするあまり、自分まで一緒に苦しんでしまうことってありませんか？
感情的に、彼に巻き込まれていってしまう、みたいな。
心理学では、これは「共感疲労」と呼ばれるもの。
まるで自分のことのように相手の苦しみや悩みを感じることで、心が疲弊してしまうのですね。
特に、思いやりが強い人や繊細な人ほど、相手の感情を自分のことのように感じてしまいやすい、と言われています。
ようするに「相手の気持ちをわかってあげられる人」ほど、心が疲れやすくもある、ということでもあるのですね。
相手の気持ちを理解すること、できることで手助けをしてあげること自体は優しさであり悪いことではないのです。
気持ちを分かち合ってくれる人がいると、とっても心強いですし
自分以外の人のアドバイスなどがありがたいことだってありますしね！
大好きな人の役に立ちたい気持ちも、素敵なことだと思うのです。
ただ・・・心が疲労するというのは、思う以上にしんどかったりしますよね＾＾；
実は、心がほとほと疲弊しすぎてしまうと
相手のことまで嫌になってしまい、突き離したくなってしまったりすることもあるのです。
弱っている彼に「さっさと乗り越えなさいよ！」って言いたくなったり
すごく冷めた視点で、相手を見下してしまったり・・
そして、そんな自分って最低だなって落ち込む、みたいな
そういう悪連鎖が起きてしまうこともあるのですね。
心の境界線を大切にすることの大切さ
で、ですね。
ここからが大切なことなのですが・・
巻き込まれて行きやすい方はね
「相手の問題に寄り添うこと」と「相手の問題を解決すること」は、実は違うということを、知っておくといいと思うのです。
例えば、友達が雨の中、傘を持たずに困っていたとします。
みなさんでしたら、どうするでしょうか？
・一緒に雨宿りしたり、話を聞くのは「寄り添うこと」
・代わりに傘を買って持って行くのは「問題を解決すること」
もちろん、相手のために行動することは素晴らしいこと。
それ自体が悪いことではないのです。
でも・・いつもいつも自分が傘を持って行ってあげたとしたら・・
相手は「自分で傘を持ち歩こう」とは思わなくなるかもしれませんね＾＾；
つまり、相手の人生の課題まで自分が引き受けてしまうと、結果的に相手が自分で乗り越える力を持つチャンスを奪ってしまうこともあるのです・・。
これは、心理学でいう「課題の分離」という考え方。
「この問題は、誰の課題なのか？」と考えてみると、少し心が楽になるかもしれません。
心の距離を適切に保つ方法
相手に寄り添いながらも、必要以上に背負い込まないために、心の境界線（バウンダリー）を意識してみましょう。
いくつか方法を書いておきますので、よかったら意識してみてくださいね。
（1）「私は私、相手は相手」と意識する
相手の悩みに共感することは大切ですが、「これは相手の問題なんだ」と一歩引いて考えることも愛情の一つ。
・「私はこの人のために何ができるかな？」
・「でも、最終的に解決するのは相手の役割だよね」
べつに、ばっさりと相手を切り離す必要はないのです。
ただ、この意識を持つだけで、少し気持ちが軽くなるかもしれません。
（2）相手の気持ちを全部受け止めなくてもいい
誰かの愚痴を聞く係になりやすく、しんどくなってしまう方にオススメなのは
「相手の話を聞く＝すべてを受け止める」ではないよ、という視点。
相手が大切であればあるほど「代わりに、私がなんとかしてあげなきゃ」って背負いすぎちゃうことってありますよね。
相手の代わりに、正解を出してあげなきゃいけないって感じてしまったり・・。
もちろんね、アドバイスを求められた時には「私はこう思うけれど、よかったら参考にしてね」って伝えるのもいいと思います。
ただ、あなたが苦しくなったときは、
「そっか、大変だったね。あなたがどうしたいのかを大切にしてね」
と、そっと相手の問題を本人に返してあげてもいいのです。
（3）「距離を取ることは、見捨てることではない」と知っておく
心の距離を適切に保つことは、冷たいことではなく、むしろお互いのために大切なこと。
あなたの心に余裕があれば、もっと温かく、もっと深く相手に寄り添うことができます。
だから、どうか忘れないでください。
「心の距離を取ることも、愛のひとつ。」
もし、今あなたが誰かの問題を背負い込んで苦しくなっているなら、「少し肩の力を抜いてもいいんだよ」と、自分に優しく声をかけてあげてくださいね。
相手の問題を抱え込みすぎてしまうパターンが、あなた自身の助けてほしい気持ちからきていることも。
また、あなた自身が誰かに助けを求めるのが苦手で「助けてほしい」と感じている時、相手と心の距離を取ろうとしたときに、相手を見捨ててしまうような罪悪感を強く感じてしまうこともあります。
そんなときにこそ、あなた自身を助けてあげるときなのかもしれません。
あなた自身、悲しみや寂しさをひとりで抱えていませんか？
助けてほしい、と、助けを適切に求められていますか？
ひとりぼっちで・・生きていませんか？
あなた自身に、優しい目としかるべき助けの手を届けてあげましょうね＾＾
「相手を大切にしたい」その気持ちは変えずに、でも「自分も大切にできる」そんなバランスを見つけていけたら、心がずっと楽になるはず。
カウンセリングなどもぜひご利用ください。
このパターンをお持ちの方は、共感力と受容力で、周りの人に安らぎを与えてあげられる優しい方が多いですよ〜。
あなたの優しさが、あなたにも安らぎを与えるものとなりますように。
参考になれば幸いです。
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